東大寺東塔院跡発掘調査
10月3日(火) 19時00分

 東大寺の東塔を中心とした区画、「東塔院」の発掘調査で、塔を囲む回廊の一部と南側の門、南門の土台などが見つかりました。

 奈良時代、東大寺に築かれた東塔は、平氏の南都焼き討ちで失われ鎌倉時代に再建されましたが、再び焼失しました。東塔院には塔を中心に回廊と四方に配置された門などがあり、今回は南門の規模などが明らかになりました。見つかった南門の土台=基壇(きだん)の規模は東西におよそ16メートル南北におよそ13メートルあり、柱を立てた礎石(そせき)の配置などから、門の規模は東西およそ13メートル、南北およそ7メートルと想定されます。北側の溝からは、焼けた建物が落ちた跡や鎌倉時代の瓦が見つかりました。康安(こうあん)2年1362年、落雷により東塔が焼失したという記録があることから、鎌倉時代に再建された南門の遺構と見られます。また、門の左右には回廊の基壇もあり、壁を中心に両側に通路がある「複廊」と呼ばれる構造であったことも分かりました。これらは江戸時代の絵図に描かれた東塔院の配置と一致しており、塔を「複廊」で囲んでいた可能性が高まりました。塔だけを囲む回廊を持つ寺院はめずらしく、複廊を持つのは東大寺のみだといいます。

東大寺境内史跡整備計画室南部裕樹 室長「中心の伽藍ではない東塔院に関しても、それなりの格付けを持った構造をされているということから、東塔を重要視してこのような立派な門が建てられたと理解してよいかと思います」

 発掘現場の説明会は、今月7日の午前10時から行われます。