21日(水)

北部
南部

22日(木)

北部
南部
  • ただいま放送中
  • 22:00
  • WBS「あなたと世界をつなぐ経済ニュース番組」として、より分かりやすく、より深く、明日からの仕事や生活に役立つ情報をお伝えします。
  • 次の番組
  • 22:58
  • 天気予報
奈良のニュース
安倍元総理銃撃事件 奈良地裁 山上被告に求刑通り無期懲役の判決
2026.01.21 20:14

 安倍元総理銃撃事件で殺人などの罪に問われた山上徹也被告の裁判員裁判で、奈良地裁は「極めて危険で悪質な行為で、経緯や動機に大きく酌むべき事情は見当たらない」として求刑通り、無期懲役を言い渡しました。


起訴状などによりますと山上徹也被告(45歳)は2022年7月、街頭演説中だった安倍元総理を手製のパイプ銃で撃ち、殺害したとして、殺人など5つの罪に問われています。


検察は、「我が国の戦後史に前例を見ない犯行」と強く非難し、無期懲役を求刑した一方で弁護側は「20年までの有期刑にとどめるべき」と主張していました。総理大臣経験者が銃撃されるという前代未聞の事件。21日は朝から傍聴券を求めて685人が列を作りました。


傍聴券を求める人は―

「初めて並びました。自分の父親が(旧統一教会に)入信していて、自分と(被告を)重ね合わせて、ちょっと一回見に来ようかなと」



本田記者

「12時47分です。山上被告を乗せた車が、奈良地裁に入ってきました。このあと、判決が言い渡されます」


 裁判では被告に科す刑の重さ=量刑と被告の手製パイプ銃をめぐる銃刀法などの法律上の解釈が争点になっていました。判決で奈良地裁の田中伸一裁判長は、被告の手製銃は「砲」や「銃」であると認定。


「発射罪」と「加重所持罪」がどちらも成立すると認めました。そして銃撃事件については、「約300人もの大勢の聴衆がいるなか2回にわたって弾丸を発射し、所持したことは、公共の安全を大きく脅かす、極めて危険で悪質な行為」「準備は1年半にも及び、計画性は極めて高い」としました。

裁判では、被告の母親が旧統一教会に入信したことで、家庭が崩壊するなど被告の困難な生い立ちがどの程度考慮されるかもポイントとなっていました。

奈良地裁の田中裁判長は、「旧統一教会への複雑な感情が激しい怒りに転じたことは理解できる」としつつも「その感情が意思決定に至ったことは大きな飛躍がある」と指摘しました。そして、「不遇な生い立ちが意思決定において大きな影響を与えたとは言えず、経緯や動機にくむべき事情は見当たらない」として、求刑通り無期懲役を言い渡しました。


刑事裁判に詳しい、近畿大学法学部の辻本典央教授は、「今回の裁判は全体を通して慎重な審理をした。結論としては妥当な判決という印象で、被告の生い立ちが刑を大きく下げる理由にはならないということがはっきり認められた」としています。



そして、安倍元総理の妻・昭恵さんがコメントを出しました。「一つの区切りがついたと感じています。かけがえのない家族である夫の命を奪い去った罪を償っていただきたいと思います」と記しています。一方、弁護側は「弁護人の主張が認められなかったのは遺憾である。控訴するかどうかについては、被告人と協議のうえ判断する」とコメントしています。


本田記者

奈良地裁からお伝えします。山上被告は黒のシャツにベージュのズボン、髪を後ろでまとめた姿で現れました。無期懲役が言い渡されたときも、大きく反応した様子はなく、ずっとうつむきながら裁判長の話を聞いていました。


判決の結果は、検察側の求刑が認められた内容となりました。この裁判では、宗教2世としての被告の不遇な生い立ちがどの程度量刑に影響するかが注目のポイントでしたが、奈良地裁は「人格形成に一定の影響を与えたことは否定できないが、意思決定においては生い立ちの影響を大きく認めることはできない」としました。

被告が40代を迎え、自立した生活を送っていた社会人であるとして、「人を殺してはならない」という規範意識は十分に身に着けることができたと指摘しました。無期懲役の判決を受けて弁護側は会見を開き、「立証はすべきものを尽くせたが、検察官の主張が全面的に認められた判決なので、控訴を検討しなければならない」と述べました。以上、奈良地裁からお伝えしました。