クマによる人身被害ゼロを目指し 県「保護管理計画」を改定へ 集落では殺処分も
2025.09.29 18:00
- 県内でツキノワグマの目撃が急増していることから、県は10月に「保護管理計画」を改定し、集落では殺処分を行うなど地域ごとに対応を切り替えるとしています。

- 紀伊半島に生息するツキノワグマは、環境省のレッドリストで「絶滅のおそれがある地域個体群」とされていて、奈良県でも保護を行ってきました。

- しかし県内でのクマの目撃件数は、2023年度は58件にとどまっていた一方で2024年度は過去最多の145件に急増。2025年度も9月22日時点で88件と高い水準となっています。またことしは奈良市東部や天理市など、これまでクマが現れていなかった地域での目撃も相次ぎました。
- 県ではクマによる人身被害をなくすため、10月1日に「保護管理計画」を改定します。

- これまでクマを捕獲した際は、トウガラシスプレーなどでヒトへの恐怖心を植え付けて自然に帰す「学習放獣」を行っていましたが、改定後は3つのゾーンごとに対応を切り替えます。クマが紀伊半島に400頭以上いると推定される場合、「集落ゾーン」では「有害捕獲したあと、原則殺処分」。「集落周辺ゾーン」では「1回目は学習放獣を行い、2回目は殺処分する」としています。
- 県では、「クマによる人身被害をゼロにするため、集落では畑に電気柵をつけたり生ごみを放置しないなど、クマが近づいてこないよう対策を行ってほしい」と呼びかけています。