纒向遺跡出土 卑弥呼も触れた?3世紀前半のイヌ復元
2025.04.22 17:34
- 邪馬台国の有力な候補地・奈良県桜井市の纒向遺跡(まきむくいせき)で見つかったイヌの骨から桜井市教育委員会などが当時のイヌの姿を詳細に再現しました。

- 女王・卑弥呼も触れたかもしれないイヌ。
- 果たしてその姿は?
- 纒向遺跡からはこれまでに3世紀中頃までの大型建物の跡などが見つかっており女王・卑弥呼で知られる邪馬台国の宮殿とする見方が有力になっています。
- イヌの骨は大型建物の東側で2015年に行われた発掘調査で出土しました。
- 館を囲んでいた溝から見つかった骨を整理したところ140点余りが確認され、大型建物以前の3世紀前半に儀式で使われたと考えられています。
- 桜井市教育委員会と纒向学研究センターでは2018年に当時のイヌの復元調査に着手。そして出来上がったのがこちらの復元模型です。足先から肩までの高さは約48cm、胸から尻までの長さが約58cmと大きさは現在の紀州犬と同じだということです。
- 足が長く全体的にほっそりとした印象です。
- 桜井市纒向学研究センター 寺沢薫所長
- 「見たときにはここまでイヌそっくりに出来上がるものかと。素晴らしいものができた。本当に今の技術と先生方のおかげだと思っています。」

- 復元では動物考古学の研究者などとプロジェクトを作り検討が進められました。
- 出土した骨をもとに3Dプリンターでレプリカを製作し、骨格をくみ上げます。そして粘土で肉付けし型を造ったということです。骨の状況から1歳半以上の若いイヌと推定され、毛の色が推定できないため茶色系と灰色系の2種類の模型が製作されました。

- イヌの骨の出土例は縄文時代や弥生時代はあるものの、古墳時代は極めて少なく古墳時代のイヌを復元するのは初めてだということです。
- 桜井市纒向学研究センターなどでは、イヌの歴史の研究上、学術的価値は高いとし、3世紀前半、イヌと卑弥呼は時間と空間を共有した可能性が極めて高いとしています。
- 桜井市纒向学研究センター 寺沢薫所長
- 「皆さんが見ているイヌと少しやっぱり違うのかな。このイヌと、もしかしたら一緒に卑弥呼がいたかもしれない、そういうところに空想を膨らませていただいて、纒向遺跡は日本の国を考える上で出発点の遺跡なんだということを理解していただきたい。」
- 復元模型は23日から桜井市立埋蔵文化財センターで展示されます。
- また、復元されたイヌの愛称をあすから募集するということです。