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安倍元総理銃撃事件 山上被告の初公判 起訴内容認める
2025.10.28 18:51
2022年7月、奈良市内で安倍元総理が銃撃され死亡した事件で、殺人などの罪で起訴された山上徹也被告の初公判が28日開かれました。山上被告は起訴内容を認めました。
28日午前8時半頃の奈良公園の春日野園地の様子です。裁判の傍聴券を求めて727人が並びました。
傍聴の希望者はー
「家の近くで事件があってびっくりしたので、どうしてああいうことをしてしまったのかというのを本人の口から聞けたらいいなと思います。」「宗教と政治との絡みというのも明るみに出た事件だと思うので、今後この裁判が世間において注目されていくのかというのは気にはしています。」
2022年7月、参議院選挙の応援のため奈良市で街頭演説中だった安倍元総理が銃撃され死亡しました。起訴状などによりますと山上徹也被告(45)は、手製のパイプ銃を使って安倍元総理の背後から銃撃し、殺害したとして、殺人や銃刀法違反など5つの罪で起訴されています。
山上被告は母親が多額の献金をした旧統一教会への恨みから安倍元総理を狙ったとされていて、9回におよぶ公判前整理手続きの結果、殺人罪などについては争わないとしました。一方で銃刀法違反と武器等製造法違反については、一部の罪について争うとしたほか、被告に科す刑の種類や程度=量刑が争点となりました。
事件の発生から3年を経てようやく開かれた初公判。裁判所では金属探知機を使った手荷物検査が行われ、その周辺では警察官が見回り、警戒にあたりました。
飯田記者
「時刻は午後1時18分です。山上被告を乗せたとみられる車が奈良地裁に入ってきました。」
そして午後2時、初公判が開かれました。田中伸一裁判長から「お名前はなんとおっしゃいますか?」と聞かれると、「山上徹也です」と小さな声で答えました。そして検察側から起訴状が読み上げられると、山上被告は「起訴された内容についてはすべて事実です。私がしたことに間違いありません」と内容を認めました。その上で「法律上どうなるかは弁護士の主張に委ねます」と答えました。
その後の冒頭陳述で検察側は、「山上被告の母親が旧統一教会に入会し、多額の献金を続けるなどして家庭が安息の場所ではなくなっていった」と述べました。そして恨みから旧統一教会の最高幹部を襲撃して殺害しようと考えたものの失敗し著名な安倍元総理を襲撃の対象とすることで、旧統一教会の活動実態に社会の注目が集まり、教団に対する批判が高まると考えたと指摘しました。そして「大勢の聴衆が見守る中で手製の銃により殺害という、戦後史において前例を見ない、きわめて重大な結果、社会的反響をもたらした」と主張しました。
一方弁護側は、山上被告の父親は被告が4歳の時に自殺し、さらに35歳の時に病気の兄が自殺したことで自分は旧統一教会に翻弄された人生であったと考え、旧統一教会に復讐心を持ったと述べました。
そして安倍元総理が教団の関連団体にビデオメッセージを送ったと知り、有力政治家が親和的な姿勢を見せているから旧統一教会が活動できていると考えたと事件の背景を指摘しました。裁判は29日も開かれ、2026年1月21日に判決が言い渡されます。
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