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奈良のニュース
県内初 公共ライドシェア 「ノッカルおくうだ」実証運行 住民の声は…
2025.05.09 19:46

 宇陀市内牧(うちまき)地域で今、行われているマイカーを使って住民を目的地まで運ぶサービスの実証運行。高齢化が進むこの場所で、新たな交通手段の一つとなるのか。住民の声を、取材しました。


 住民のマイカーに乗っかり目的の場所まで送迎してもらう、助け合い公共交通サービス「ノッカルおくうだ」。


宇陀市の内牧地域では2025年3月から実証運行が行われています。高齢化が進む地域などでの移動手段の確保を目的に、地方公共団体などが運行主体となり、マイカーを活用して有償で人を運ぶ仕組みは公共ライドシェアと呼ばれ、県内では初めての実証運行です。


 「ノッカルおくうだ」は宇陀市や曽爾村などからなる「宇陀地域公共交通活性化協議会」が運行しています。マイカーを運転するドライバーは、講習を受けた人などいくつかの条件をクリアした人のみ登録することができます。


 ドライバーは、マイカーで住民を運べる時間などを登録。利用者は利用登録の上、前日の夕方までに決められた乗降場所や時間を電話や無料通信アプリの「LINE」から予約し、乗車するということです。


内牧地域内に設置された40の乗降場所と榛原駅周辺の市役所や、スーパー、病院などの6カ所をつなぎます。乗降場所などのサービス設計には地域住民が関わりました。



【宇陀市榛原内牧地域まちづくり協議会会長・朝日忠則さん】

「我々で特に高齢者が住んでおられるところの近くという意識で(乗降場所を)作りました。どの家に高齢者が、あるいは独居の高齢者が住んでいるのかわかっていますから、その辺の近くでいったら、こことここがいいなっていうのを決めました」


 近鉄榛原駅の南東に位置する内牧地域には、840人余りが暮らしています。過疎化が進んでおり、2人に1人が高齢者。交通手段はタクシーを除けば、榛原方面から曽爾村方面を繋ぐ国道369号沿いを走るコミュニティバスのみです。



【住民は…】

「買い物行くときはそこにバス停あるから、バス停まで行ってバスを利用して、帰りは荷物あったらタクシー病院行って時間かかるから待って、その時にタクシー呼んだりしたら「今は行けません半時間ほど待ってください」って言われた時は困る」

「ノッカルおくうだ」では1日4本ほどしか走らないコミュニティバスの空白のダイヤを埋めるように時間が設定されており、協議会では交通手段の選択肢の一つとして利用してもらえればとしています。



【ドライバー】

「地域の人たちのやっぱり役に立ちたいっていったらちょっと大げさですけれども、そういう気持ちですかね。新しいこの仕組みの中で、初めて乗ってもらう人もおってどちらかというと概ね喜んでもらっていますよね結構嬉しいですね」


【利用者】

「利用させてもらったけど、楽やったよ。バスやったらそのバスの停留所まで歩かなあかんけど、近くまで迎えに来てくれる。それはもう大いに結構なことやわ」

路線バスの廃止が進むなど地域の移動手段が課題となる中、この10年ほどで市町村が運行費用を負担するデマンドバスなどが広まってきました。しかし、コストがかかることや運転手不足などの課題があり、そこで生まれたのが住民の力を借り、今あるマイカーを利用するこのサービスです。4月末時点での利用者の登録者数67人に対し、運行回数は22回と少なかったものの、5月に入って、徐々に回数は増えてきているといいます。この先利用者が増加することが予想されますが、ドライバーが足りなくなる不安を抱えているということです。


【宇陀市榛原内牧地域まちづくり協議会会長・朝日忠則さん】

「確実に人口減っていくし子どもたちも減っていくということは間違いない事実なんですけれども、その中でもやっぱり地域が元気になるための方法としては、こういう公共ライドシェアについて、みんなにもっと知ってもらって、利用してもらって、運転手も増えるということの取り組みを継続していくということが大事かなと思っています」


 地域で助け合いながら交通手段を維持していく。新しい変化の積み重ねが今より少しでも暮らしやすい地域へと繋がるようこの先も模索が続きます。実証運行は5月末まで行われ、2026年度中には本格運行に切り替えたいとしています。今後、曽爾村や御杖村でも実証運行を展開する予定だということです。