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奈良のニュース
富雄丸山古墳「鏡の流通知る資料」 木棺内の3枚の鏡 様々な時代に製作と判明
2025.07.30 19:16

 奈良市にある富雄丸山(とみおまるやま)古墳の発掘調査で、木の棺の中から見つかった3枚の鏡の製作された時代などが明らかになりました。奈良市教育委員会では「鏡の流通の実態を知る重要な資料になる」としています。



 国内最大の円墳「富雄丸山古墳」では墳丘にとりつく「造り出し」と呼ばれる部分から、これまでに出土例のない「鼉龍文盾形銅鏡(だりゅうもんたてがたどうきょう)」と、古代東アジア最大の鉄剣「蛇行剣(だこうけん)」が見つかり話題になりました。


 これらの下には木の棺があり、棺の中からは鏡が3枚重なった状態で見つかっています。


 奈良市教育委員会と県立橿原考古学研究所は30日、鏡は上から順に三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)、虺龍文鏡(きりゅうもんきょう)、画像鏡(がぞうきょう)で、いずれも中国製であることがわかったと明らかにしました。



 このうち虺龍文鏡は通常10cm程度とされる鏡ですがこちらは国内最大の直径19.1cmで、逆S字を描く虺龍文に龍や虎の前半身が細かに描かれています。3枚の鏡の中で最も古い紀元前1世紀末から紀元後1世紀初頭にあたる中国の前漢(ぜんかん)から新(しん)の時代につくられたとみられています。


 また画像鏡は2世紀末から3世紀前半にあたる後漢(ごかん)の時代、三角縁神獣鏡は3世紀中ごろ、魏(ぎ)の時代に製作されたと考えられるといいます。


 これまでに見つかっている「鼉龍文盾形銅鏡(だりゅうもんたてがたどうきょう)」は、古墳が築造された4世紀後半に日本でつくられたとされることから、この古墳には400年にわたる様々な時代に製作された鏡が集められていることがわかりました。


 古墳時代前期はヤマト王権が権力の象徴として鏡を各地に配ったとされ、これらの大型の鏡は富雄丸山古墳に埋葬された人物がヤマト王権に重視された有力者であることを示しています。


【奈良市教育委員会・柴原聡一郎さん】

「中国から海を渡って日本列島にもたらされた、その間非常に複雑な流通過程があったと思います。今後この銅鏡が具体的にどのように製作されたのか、どのように流通したのかという過程をより鮮明に描き出すことができればと考えています」

 なお3枚の鏡は8月1日から17日まで県立橿原考古学研究所附属博物館で特別公開されます。