「私たちの家庭は破壊された」 安倍元総理銃撃事件第9回公判
2025.11.19 20:09
- 安倍元総理銃撃事件で殺人などの罪に問われている山上徹也被告の第9回公判が開かれました。
- 起訴状で山上徹也被告(45)は殺人などの罪に問われていて、初公判で起訴内容を認めています。山上被告は母親が多額の献金をした旧統一教会に恨みを募らせたとされていて、裁判では被告の量刑や銃刀法など法律上の解釈が争点となっています。
- 19日の公判では、前日に引き続き、被告の妹が弁護側の証人として出廷し、時折泣いて声をつまらせながら証言しました。被告や他の兄弟が事件や自殺を起こさない方法はなかったのかという弁護側からの質問に対し、被告の妹は「私たちの家庭は旧統一教会に破壊された。合法的な方法では何もできなかった。その苦悩の果てにこういうことになってしまった」と証言しました。
- この後、霊感商法の救済にあたる弁護士の男性が出廷しました。男性は、旧統一教会と政治家の関係が顕在化したのは2006年頃だと話しました。また、こういう事件を防ぐことはできたかという弁護側の質問に対し、「仮定の話になるが行政がやってくれていたらできた」と述べました。
- このほか、旧統一教会の元信者だった弁護士の男性も証言台に立ちました。被告の妹の証言を受けて、入信すると母がなぜ十分な世話をしてくれないのかという弁護側の質問に対し、「信者は子どもの世話より、旧統一教会の活動に参加する方が子どものためになると思い込まされている」と信者の実態を述べました。
- 裁判は20日も開かれ、引き続き弁護側の証人尋問が行われた後、被告人質問が予定されています。