橿原市 正蓮寺大日堂で「猫入り涅槃図」特別公開
2025.09.15 18:32
- 釈迦が入滅する際の様子が描かれた中にネコの姿が描き込まれた珍しい涅槃図が、橿原市内で特別公開されています。

- 橿原市の正蓮寺大日堂で公開されている、こちらの涅槃図。
- 横たわる釈迦を取り囲むように弟子や動物などが描かれ、森羅万象がその入滅を嘆き悲しんでいる様子がうかがえますが、そのなかに、ネコの姿があります。

- ネコには「釈迦を助けようとして薬を取りに行こうとしたネズミを邪魔したため、釈迦は薬を飲めずに亡くなった」などのエピソードがあり、昔から涅槃図(ねはんず)に描かれなかったとされます。
- しかし、280年ほど前に地元の人が寄進したというこの絵には、釈迦の生誕にゆかりのある白い象などとともにネコが描かれており、こうした涅槃図は国内で十数例しか確認されていない珍しいものといいます。
- 絵師が自分の飼いネコをそっと描き入れたのか、依頼主が描いてほしいと頼んだものなのか…。
- この涅槃図は、明治時代の神仏分離令で廃寺となった寺のお堂を地元の人たちが買い取り、国の重要文化財「大日如来坐像」とともに守り続けています。

- 涅槃図と大日如来坐像の特別公開はコロナ禍以来初めてで、9月23日まで行われています。